第3章:3PL導入で失敗しないために押さえるべきポイント
「3PLを導入したけど、期待した成果が出なかった」
「物流業務を丸投げしたら現場が混乱した」
このような“3PL導入の失敗例”は少なくありません。効果を最大化するには、事前準備とパートナー選びの戦略性がカギになります。
ここでは、3PL導入で失敗しないために企業が押さえるべき重要なポイントを4つに整理して解説します。

■ ポイント①:価格だけでパートナーを選ばない
3PLを選定する際、コスト比較だけで業者を決めるのは非常にリスクが高い判断です。
一見リーズナブルに見える価格設定でも、サービスの質が低かったり、柔軟な対応ができなかったりすれば、最終的にトラブル対応や再教育の手間でコストが膨らむ可能性があります。
価格の裏にある「対応体制」「提案力」「経験値」「自社との相性」をしっかり見極めることが、信頼できる3PLパートナー選びには不可欠です。
■ ポイント②:業務範囲とKPIを明確にする
3PLとの契約を交わす前に、どこまでを委託するのか、その業務範囲を明確に定義する必要があります。
曖昧なままスタートしてしまうと、トラブル発生時に「それはそっちの業務ではない」という責任のなすりつけが起きやすくなります。
さらに、成果を評価するためにはKPI(重要業績評価指標)を双方で合意して設定しておくことが重要です。
たとえば:
出荷精度(誤出荷率)
リードタイム
在庫精度
トラブル発生件数
などの数値をもとに、改善や支援の方向性を共有していくことが大切です。
■ ポイント③:社内の情報共有と業務移行計画をしっかり立てる
「物流を外に出せばすべて解決する」と考えてしまうと、逆に社内が混乱する原因になります。
3PL導入時には、社内の関連部門(営業・カスタマーサポート・在庫管理など)と十分な連携と情報共有が必要です。
また、現場業務を一気に委託するのではなく、段階的な移行計画(ステップ移管)を立てることで、トラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
■ ポイント④:繁忙期やイレギュラー対応力を確認しておく
3PLの中には、「通常時は問題ないが、繁忙期に崩れる」というケースもあります。
導入前には、過去の繁忙期対応実績や、急なオーダー変更・返品対応などのイレギュラー時の柔軟性を確認しておくことが重要です。
契約書やSLA(サービスレベルアグリーメント)に繁忙期対応条件や対応時間の記載があるかもチェックしておきましょう。
■ まとめ:成功する3PL導入には「戦略」「準備」「対話」が不可欠
3PLは「外注」ではなく「パートナー」です。導入成功のカギは、価格だけにとらわれず、目的と責任を明確にし、互いに対話を重ねながら物流の最適化を進めることです。
リライアンスでは、3PLの導入設計からパートナー選定、業務移行支援、KPIの定着まで、実務に即した“現場目線のコンサルティング”をご提供しています。
「失敗しない3PL導入」をお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
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