第2章:物流コンサルタントが行う主な支援内容とは?

物流コンサルティングとは、単なるアドバイス業務ではありません。現場に深く入り込み、業務改善・コスト削減・品質向上・生産性の最大化といった目に見える成果を創出する「実務型の支援」が本質です。本章では、物流コンサルタントが実際にどのような支援を行っているのか、具体的な業務を紹介していきます。
■ 現場診断・ヒアリング
物流コンサルティングの第一歩は、現場の“見える化”です。
倉庫や配送センターの動線、作業時間、保管レイアウト、作業員の配置、入出荷頻度、在庫回転率など、あらゆる業務データを観察・収集し、ボトルネックやムダを特定します。また、現場スタッフからのヒアリングを通じて、現実的な改善案を探ることも重要です。
■ コスト構造の可視化と改善
多くの物流部門では、運賃や人件費、梱包資材費、保管料、外注費などのコストが複雑に絡み合っています。コンサルタントは、これらを細かく分類・分析し、改善余地のあるポイントを洗い出します。たとえば、「トラック積載率が低い」「在庫が過剰」「待機時間が長い」など、原因ごとに対応策を提案し、ムダの削減を目指します。
■ WMS・TMSなどのシステム導入支援
在庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)は、物流効率化に欠かせないITツールですが、現場の実情に合っていないシステムではむしろ混乱を招くこともあります。物流コンサルタントは、システムベンダーとの調整や要件定義、導入後の運用設計までを支援し、“使えるシステム”を現場に根付かせます。
■ 配送ルート最適化と拠点再編
拠点配置の見直しや、AIを活用した配送ルートの最適化も重要な支援項目です。エリア別の需要量や交通状況、ドライバーの勤務状況などを加味し、効率的なルート設計を行います。必要に応じて、拠点間の再配置や共同配送の提案など、抜本的な構造改革を行うこともあります。
■ KPI設計とPDCAサイクルの構築
業務改善は一時的な対応で終わっては意味がありません。物流コンサルタントは、出荷件数・在庫回転率・誤出荷率・作業生産性などのKPIを設定し、継続的なPDCA(計画・実行・評価・改善)を回す仕組みづくりを支援します。この体制が社内に根づくことで、自走型の改善文化が生まれます。
■ 教育・マニュアル整備・人材定着支援
現場の改善は、最終的には「人」の意識とスキルに左右されます。コンサルティングでは、作業マニュアルの整備やOJT指導、リーダー教育なども行い、属人化の排除とスキル標準化を図ります。中長期的には人材の定着率向上にもつながり、企業全体の組織力が底上げされます。
物流コンサルティングの強みは、「理論」と「現場」の間に橋をかけることです。リライアンスでは、現場経験豊富なメンバーが実務目線で寄り添いながら、最適な改善施策をともに設計・実行しています。
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