第1章:なぜ中小企業の物流は“非効率”になりやすいのか?

ニュース 2025-12-5

中小企業における物流業務は、多くの場合「現場任せ」「属人化」「非効率な手作業」が当たり前になってしまっています。
これは限られた人員と予算の中で、なんとか回してきた結果であり、責められるべきことではありません。しかしこのままでは、現場の負担が膨れ上がり、いずれ限界を迎えます。
では、なぜ中小企業の物流は非効率になりやすいのでしょうか? 本章では、その構造的な原因を明らかにし、「改善の第一歩」をご提案します。

■ 原因①:属人化──ベテラン頼みのブラックボックス
中小企業では、“この人じゃないと出荷が回らない”という状態が起きがちです。
その人の記憶や勘に依存しているため、引き継ぎができず、急な休みや退職で業務が麻痺します。
この「属人化」は業務のブラックボックス化につながり、ミスの原因にもなります。
特に在庫管理やピッキングリストが紙ベースで運用されている場合、現場が混乱するリスクは高まります。


■ 原因②:仕組み化の遅れ──マニュアルが存在しない
物流業務が長年の経験や口頭伝承で成り立っている場合、明文化されたルールやマニュアルが存在しないケースが多く見受けられます。
その結果、新人教育に時間がかかり、現場の負担が増す悪循環に。
本来であれば、「誰がやっても一定の品質が出せる仕組み」が必要です。
作業手順の動画化、チェックリストの整備など、最小限の工夫で改善できる部分も多いのです。


■ 原因③:課題が認識されにくい構造
多くの中小企業では、「物流部門」が正式に存在していない、あるいは他部門との兼任になっているケースがあります。
そのため、改善の必要性や緊急度が“経営の議題に上がりづらい”のが実情です。
また、「とりあえず出荷できているから大丈夫」という安心感が、課題の顕在化を妨げてしまうことも少なくありません。


■ 原因④:外部リソースへの不安・抵抗

「3PLって大企業向けでしょ?」「うちは規模が小さいから…」といった理由で、外注や改善支援サービスに対して慎重な姿勢を取る企業も多くあります。
しかし最近では、小規模・低予算でも始められる物流改善サービスが増えています。
特にリライアンスのように、物流のハブ的役割を果たす事業者であれば、荷主と運送会社の間に立って、最適な体制構築をサポートすることが可能です。


■ 改善の第一歩:「業務棚卸し」と「簡易診断」から
まずやるべきは、“現状の可視化”です。
どこで何が行われているか
誰が何を担っているか
どこに無駄があるのか
どこを自動化/省力化できそうか
このような棚卸しを行い、簡単なフローチャートや手順書を作るだけでも、改善のヒントは見えてきます。
さらに、外部の視点を取り入れることで、「当たり前と思っていた問題」に気づくことも少なくありません。


■ まとめ:非効率は“構造”のせい。責任ではない。

中小企業の物流が非効率になりやすいのは、個人のせいではなく、構造的な制約と習慣の積み重ねによるものです。
大切なのは、「何が課題か」「何から変えられるか」を見つめ直し、一歩ずつ改善すること。
次章では、人手不足でもできる“省人化”物流の考え方を解説していきます。

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